宮城県・金華山 "ものづくり"で復興支援「鹿角プロジェクト」始動
「海外ボランティアの旅」と「風カルチャークラブ」は、2012年の夏より「ボランティアセンターを支援する会 山形」協力のもと、宮城県・金華山での東日本大震災復興支援ツアーの企画・運営を行ってきました。復興支援の新たなステージに対応すべく、ツアーを開始して7年目になる2018年より、「金華山 鹿角(ろっかく)プロジェクト」を始動します。
これまでの活動
金華山は東日本大震災で震源地に最も近かった有人地。1200年以上の歴史を誇る金華山黄金山神社は、灯篭が崩れ、鳥居も根元から折れるほどの惨状と化しました。船の手配が必要な離島であること、島全土がご神域のため政教分離の観点から行政の支援を受けられないこと。さまざまな条件が相まって、金華山は多くの支援の手を必要とする状態にありました。
「ボランティアセンターを支援する会 山形」と「海外ボランティアの旅」「風カルチャークラブ」で実施してきた復興支援ツアーでは、現地の要望に応じて柔軟な対応ができるよう、活動内容を固定せず、その時に必要とされる作業を行ってきました。
ツアーを開始したころは参道の整備修復作業が主でしたが、被災された方々が神社への足を戻し始めた頃から徐々に、参拝客の受入れ体制を補完する裏方のサポートへと重きが移っていきました。建造物の復旧、インフラの回復など一見してわかる復興は進んだ今、金華山は「コミュニティの再生」や「経済の復興」という可視化しづらい課題に直面しています。
「金華山 鹿角(ろっかく)プロジェクト」
「金華山 鹿角(ろっかく)プロジェクト」とは、自然に抜け落ちた島内の鹿角を使い、島を象徴する記念品を開発することで、経済的な復興に繋げる支援プロジェクト。
東日本大震災復興支援ツアーでご協力いただいた「ボランティアセンターを支援する会 山形」のメンバーを中心に組織された「一般社団法人サステナブルデザイン工房」と一体になって活動します。
なんで鹿?
金華山は牡鹿半島の沖に浮かぶ、国立公園指定を受けた小さな離島。手つかずの自然が残る小さな島に、ホンシュウジカが500頭近くも生息しています。そんな鹿たちを島の神社では「神の使い」として大切に保護し、御神鹿にまつわる祭典神事を盛大に斎行しています。
金華山にとって鹿は昔から共にある身近な存在。そんなシンボリックな鹿の角を活用し、持続可能な「ものづくり」に発展できればと考え、「金華山 鹿角(ろっかく)プロジェクト」の立ち上げに至ったのです。
金華山の魅力も体験しよう
本島から隔離された環境で独特の生態を持つ金華山。1979年に「南三陸金華山国定公園」に登録され、2013年には「三陸復興国立公園」となり、まさに手つかずの自然が大切に守られています。特筆すべきは、標高444.9mある金華山山頂からの眺望。眼下には海底まで透けて見えるようなコバルトブルーの海、眼前には牡鹿半島が横たわり、山頂に立った者を祝福するかのような絶景が待ち受けています。本当にお勧めの場所です!
「宮城県・金華山 鹿の角を拾ってものづくり 復興支援ボランティア3日間」では金華山黄金山神社に連泊し、島内の鹿角を拾い集めるボランティアや、神社の作業場で鹿角を使った記念品の試作品作りを通じて、経済的な復興を支援する活動に参加します。鹿の角を探しに金華山を登るので、是非 地域の方たちに愛されてきた金華山の景色を観にいらしてください。
宮城県・金華山 鹿の角を拾ってものづくり 復興支援ボランティア3日間
プログラム詳細へ
ボランティアセンターを支援する会 山形
ボランティア活動の内容はその時々に必要とされていることを行います。写真は広い境内の清掃を行った時のもの。東日本大震災後に発足。各地のボランティアセンターでは掌握しきれない被災者のニーズと、活動を希望する一般のボランティアを結びつける役割を担う。石巻市沢田地区苔浦に「支援基地」を設置し、合宿態勢で被災地支援活動を展開。現在は、牡鹿半島とその先に浮かぶ金華山の観光復興による「自立支援」を課題として活動を組織。(会員数62名)
一般社団法人サステナブルデザイン工房
2017年に設立された、自然資源を無駄なく活用するものづくりと共に、人工素材の消費量削減とリサイクルによる新たな価値創造に取り組む事を目的とした団体。花王株式会社が行う「リサイクリエーション®」の活動にもパートナーとして参画している。